第15歩:モズ/さかでぃの森のむしめがね

キチキチキチキチ!

梢のモズ

頭上から降り注ぐ大きな声に顔を上げると、そこにいるのはスズメほどの大きさの鳥。

しっぽ(尾羽)をグルグル回して、下を睨んでいます。

この鳥はモズ

モズ

冬になると畑や森の近くの広場で出会うことの多い鳥です。

キチキチという鳴き声は、「モズの高鳴き」と呼ばれていて、秋の風物詩。

モズが鳴き始めると、その年はもう台風が来ないとも言われます。


夏の間を山で過ごしていたモズは9月頃里に降りてきて、

縄張りを作って生活を始めるのですが、その時の縄張り宣言が高鳴きなのです。

モズは肉食の鳥で、虫やトカゲ、カエルなどの小動物を食べています。

同じくらいの大きさで種などを食べるスズメと比べると、くちばしの形が全然違います。

くちばし比較。左から、スズメ、モズ、タカ(ハリスホーク)。
くちばし比較。左から、スズメ、モズ、タカ(ハリスホーク)。

モズのくちばしは鋭く曲がり、まるでタカのよう。

そのため小さな猛禽類とも呼ばれ、時には自分より大きなツグミやヒヨドリなどの鳥、ネ

ズミ、ヘビなどを狩ることもあるそうです。

木の上からねらいを定めて…

何が捕まえた?

そうした大きな獲物は、特徴的な鉤状のくちばしで肉を引きちぎりながら食べます。

時折、モズは捕まえた獲物をすぐに食べず木の枝や有刺鉄線などに刺すことがあります。

冬になって木々が葉を落とすと、ポツンポツンと串刺しにされたバッタやトカゲが見つかります。

はやにえにされたバッタ

これが有名な「モズのはやにえ(早贄)」。

人間からすると残酷な生態にも感じますが、モズにとっては必要な行動。

さて、どんな理由でしょう?


これまで、冬の保存食説や食べる際の固定説など幾つか説があったのですが、

数年前に明らかにされたのは、オスが繁殖期に備えて栄養をつけるための貯食という説。

2月頃の繁殖期の前、1月頃にはやにえをたくさん消費して栄養をつけると、

早口で歌えるようになって(モズは早口な方がモテるそう)、メスを獲得しやすくなるのだとか。

なので、はやにえを見たら、オス頑張ってるなと応援してあげてください。

取ってつまみ食いしちゃダメですよ。


モズのオス(左)とメス(右)。オスの方が目の黒い線がはっきりしている。
モズのオス(左)とメス(右)。オスの方が目の黒い線がはっきりしている。

そんなモズは高鳴き以外にも、繁殖期のさえずりなど鳴き声のレパートリーがあります。

また、他の鳥の鳴き真似をすることでも有名で、

カラスの「カーカー」、ウグイスの「ホーホケキョ」、時にはセミの声まで真似してしまうのだとか。


そんなモノマネ上手な生態からモズに当てられた漢字が、「百舌鳥」。

鳴き真似もやはり繁殖に関わっていて、多彩な声を出せることをメスへのアピールにしているようです。

縄張りを守るモズは、梢や張り出した枝、柵など比較的目にしやすい場所に留まっていることが多いので、

見つけたらぜひじっくり行動や鳴き声を観察してみてください。


さかでぃ


「さかでぃの森のむしめがね」 インスタグラムもやってます! 活動中に見つけた地域の生きもの、季節の生きものについて更新中!

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【さかでぃ:プロフィール】

自然や環境のメッセージを人に伝えるインタープリター。

幼少期は虫捕り少年。

大学で水産学や動物生態学を学ぶ中で

科学コミュニケーションに興味を持ち、環境教育の道へ。

現在は、一児の父としてかぷかぷに参加中。

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